今月のワンポイント

健康管理ポイント 2、3月のケア

2月は一年でもっとも寒い時期です。
とくに子犬や老犬は寒さによるストレスから病気にさせないよう注意が必要ですね。
3月ともなれば、だいぶ暖かくなりますが、まだまだ寒暖の差の厳しい日がありますので十分気をつけてあげましょう。
室内犬は比較的、温度の心配はいらないのですが、最近は暖房が行き届きすぎる家庭が増え、寒さによる抵抗力が薄れてきたようです。
必要以上の保温は、ワンコの健康のためにもよくありません。
また、最近は大型犬も室内飼いが多くなってきました。
元来、犬は屋外犬、室内犬の区別をするものではないのですが、日本では、欧米と違い家屋の構造的な要因もあり大型犬は外で、中型犬は外または室内両方いわゆる愛玩犬は室内と決められてきました。
もちろん大型犬、中型犬でもちょっとした工夫と家庭の理解で十分に室内で飼育することができますし、そのようにして飼い主のそばにいられることがワンコにとってもいちばんよいことだと思います。
大型犬を室外で飼う場合も、子犬のうちは、日中の暖かい時間帯以外は室内で飼うようにしましょう。
寒さから下痢やカゼをひかせることになるからです。
いくら寒さに強いとはいえ、生後2、3ヶ月の子犬や10歳を超えた老犬にとってはこたえるものなのです。十分に注意してあげてくださいね。

☆食欲

健康を知るうえで、もっとも重要なのが毎日の食事でしょう。
食欲があるかないかを飼い主さんがまず一番に気づくことができるからです。
食欲のないワンコに「食べさせるようにする薬」はありません。
とくに室内犬の場合、少食で困ると悩んでいる飼い主さんが多くいます。
人間といっしょに生活していると、つい甘やかしてしまい少しぐらいなら大丈夫といって、人間の食事をあげる人がいますが家族みんなが、少しずつあげたとしたら、かなりの量になってしまいます。
これは、ワンコの健康状態をチェックしにくくするので控えましょう。
子犬のときから犬の食事は犬だけのもので人間の食事は絶対にあげないと家族全員で決めておくことが大切です。

また、ちょっと食欲がないからといって次から次へと食事の内容を変える飼い主さんがいますが、これはワンコがどんどん贅沢になってしまい、その結果、ドライフードやドッグフードを食べなくなるなどの問題行動につながりますのでお勧めできません。
犬が食べないのではなく、飼い主さん自身が、食べさせないようにしているということに気づいて下さいね。

現在のワンコの健康を維持するうえでもっとも安全で安定した食事はドライフードです。
食いつきという点では缶詰、セミドライフードに比べると劣るのは仕方ありませんが、食事の基本は、ドライフードということをワンコに習慣づけ、食欲がないなど健康状態によっては、味付け程度に缶詰などをトッピングするくらいにしたいですね。
いつも一定の食事内容にしておくことで、毎日の健康状態のチェックもより判断しやすくなります。
犬は元来、栄養のバランスのとれた食事をしていれば、自然に身体を調整する能力をもっているものです。
少しぐらい食べないからといって次から次へと別の食事に替えることは慎まなくてはなりませんね。
体調が悪くて食欲がないのか、単に一時的なものなのかの区別をつけることが必要です。
もし、元気があり、いつもと変わらない様子ならば心配いらないでしょう。
半日または、1日絶食するようにすれば、またもとに戻るでしょう。
成犬は定期的に絶食することでかえって胃腸を休めることになり、よい結果につながります。

ただし子犬の絶食は禁物です。
もし食欲のない原因が病気によるものである場合は、ただちにその原因をつきとめて治療をしてあげなければなりません。
とくにチェックする点は、熱があるか(子犬は38.5度~39度ぐらい、成犬は38度~38.5度ぐらい)を目安にしてください。
体温計を使わずに簡単にみるには、耳の内側を触るのもひとつの方法です。
冷たければまず熱はないでしょう。
またワンコは胃が気持ち悪いときも食事をしません。
とくに子犬が食欲がないということはまずありませんので、早急な原因の発見と処置が必要です。
子犬は毎日の便をチェックすることも重要です。
ここでいちばん重要な点は、健康だがただ単に食欲がないだけなのか、それとも体調が悪くて食べないのかを見極めることです。
毎日きちんとした食生活を送っているワンコたちであれば、飼い主さんはすぐにチェックできるはずです。

☆飲み水

とくに屋外で飼育されているワンコたちの飲み水は、夏とは違う意味でつねに新鮮なものを与えたいものです。
朝夕は気温が下がるために、飲み水が凍って飲めない時があるからです。
またあまり冷たすぎる水もよくないので注意してくださいね。
しかし冬は夏と違い、飲む量はかなり少なくなるのが一般的です。

☆耳の手入れ

冬は空気が乾燥して静電気が起こりやすい季節です。
屋外犬は、ホコリにより耳の中が汚れます。
室内犬は暖房のそばにいることが多いため耳のトラブルを起こしやすくなります。
コタツに入りこんだり、ホットカーペットの上で寝たりするワンコも多いでしょう。
これにより耳が蒸れて炎症を起こす場合もあります。
耳は以外に手入れを怠りがちな部分ですし、子犬の時からお手入れの習慣をつけていないと、爪切りと同様に嫌がりますので気をつけていきたいですね。

耳はこじらすと治療に大変時間のかかるものです。
慢性の外耳炎や耳ダニによる炎症を起こす前に日頃から、お手入れを忘れないように心がけたいものですね。
とくに耳が垂れて毛でおおわれている犬種(コッカー、キャバリア、シーズー、アフガンなど)は外耳炎になりやすいので注意して下さいね。
シャンプー時に顔や耳を洗わない飼い主さんがよくいますが、かりに耳にお湯が入ったとしてもワンコが首を振ることでお湯は耳の奥までは入らないものです。
それよりも洗った後のお手入れ不足から炎症を起こすほうが、はるかに多いのです。
洗った後はタオルでよく水分を取り、綿棒で耳の中をふいてあげてから、あまり熱くならないようにドライヤーの先をこまめに振るうようにして、完全に乾かしてくださいね。
その後にオイルなどを薄く塗ってあげましょう。
ただし耳の中を頻繁にこすりすぎると、かえって皮膚を傷め、炎症を起こす場合がありますので注意してください。
10日に1回ぐらいのペースで定期的に耳の手入れをしていれば、さほど心配する必要はありません。
一度こじらせるとやっかいなのが耳であるということを頭にいれておくと安心ですね。

☆すわりダコ(寝ダコ)

堅い床にいつも寝ているとワンコの体重で床とこすれるため、ヒジの毛が抜けて皮膚が硬くなりそのままにしているとしだいに腫れきて、すわりダコができることがあります。
なかには膿をもつようになるものもあります。
とくにシェパード、グレートデン、マスチフといった大型犬に多く見られます。
外飼いの場合、犬舎の床は暖かさの面では、土がよいのですが、衛生面から考えますと、やはり水で洗い流せるコンクリートということになるでしょう。
こうしたことからすわりダコができやすくなりますし、また冬場はとくに冷えますので注意してくださいね。
昔は犬小屋にワラを敷き詰めたものですが、今ではなかなか手に入りませんので、コンクリートの半分ぐらいにすのこを敷き、犬舎の板張りの上にマットや毛布を敷くようにしてください。
室内飼いの場合もフローリングなどに直接寝かせないなどの配慮が必要ですね。

すわりダコのケアとしては、つねに四肢をよくブラッシング蒸しタオルでよくふき、その後にクリームを薄く塗ってあげてください。
このすわりダコがあるかないかを見ただけでも、きちんと飼われているかそうでないかを判断することができますので、日常のお手入れを怠らないように心がけたいですね。

☆日光浴の重要性

生物はみな太陽の恩恵なしでは生活することができません。
この自然の恵みはワンコにとっても、大変重要なことですが、これも飼い主さんの理解なしでは彼らは最大限に活用することができません。
一般にカルシウムやリン、ビタミンDなどの摂取により、格が形成されると考えられていますが、さらに日光浴をすることにより、しっかりした資質のよい骨ができるといわれています。
飼い主さんもこのことを十分に認識しながらワンコとの生活をしていきたいですね。

とくに室内犬は、どうしても日光浴不足になりがちです。
冬場は朝夕が冷え込むので、日中の晴れた時間を選んで、30分から1時間程度日光浴をさせてあげてくださいね。
これによりきっと健康な体質のワンコになることでしょう。

犬舎にすきま風が入っていないか、温度が適温になっているか、飲み水は凍っていないか、もう一度チェックしなおしてみてください。
どうしても寒さから飼い主さんも運動やお手入れを怠りがちな冬ですが、毎日の規則正しい運動、食事、お手入れによって
康な体質を保つことができることを忘れずに管理してあげてくださいね。

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